内定への一歩!内定を獲得するためのエントリーシート(ES)の書き方をご紹介
はじめに

就職活動に関して、エントリーシートは採用選考の最初の重要なステップとなっています。
入社への意欲が十分にあっても、エントリーシートの内容が採用担当者に響かなければ、次の選考には進めません。
そのため、エントリーシートを通じて好印象を与えることが重要です。
これから、内定獲得につながるエントリーシートの具体的な作成方法を説明していきます。
就職活動でエントリーシートの書き方を考えている方や、最新のエントリーシートをさらに魅力的なものにしたい方に使える情報を紹介していきますので、ぜひ最後まで読んでください。
エントリーシートとは
そもそも、エントリーシートとはどのようなものでしょうか。
就活を始めたばかりの方は、ぜひエントリーシートの概要から確認してください。
内定を勝ち取るための第一歩なので、ポイントは必ず押さえておきましょう。
エントリーシートの役割とは?
エントリーシートは、就職活動における書類選考において重要な役割を果たします。
企業が求める人物像と就活生の能力や経験が一致しているかを判断するための資料として活用されます。
自己PR | エントリーシートは自分自身の強みや能力、経験をアピールする場です。企業が求める人物像を理解し、自身のスキルや経験を具体的に示すことで企業に自分を売り込めるようになります。 |
企業とのマッチング | エントリーシートは企業が求める人物像と、就活生の価値観やキャリアプランが一致しているかを判断する材料にもなります。企業理念への共感や、入社後にどのように貢献できるかを具体的に示すことで、企業とのマッチングを図ることができます。 |
書類選考の通過 | エントリーシートは、書類選考を通過するために必須の書類です。内容が充実していない場合は面接に進むことはできません。企業が求める情報を、わかりやすく論理的に伝えることが重要です。 |
面接の準備 | エントリーシートの内容は面接での質問項目の参考となります。エントリーシートの指定文字数が少ない場合、面接でより深掘りされる可能性が高いです。エントリーシートは就職活動の第一関門であり、企業に良い印象を与えるための重要なツールです。時間をかけて丁寧に作成し、自身の強みや能力を効果的にアピールする意識が必要です。 |
以下の記事では、自己PRを書くためのコツを紹介しています。
自己PRは、エントリーシートの中でも特に重要な要素なので、この機会にぜひチェックしてください。
エントリーシートで見られるポイント
エントリーシートで評価されるポイントは多岐にわたりますが、特に重要なのは以下の4点です。
読みやすさ | ・誤字脱字がないこと・適切な句読点や段落が使われていること・論理的に分かりやすく書かれていること |
自己PRから入社後に活かすことができるスキルがあるか | ・企業で活かせる経験やスキルを持っていること・具体的な成果を挙げていること・自身の強みを理解していること |
人柄 | ・誠実さや責任感があること・向上心や意欲があること・企業文化に合致していること |
企業研究をしっかり行っているか | ・どこにでも通用してしまう内容ではないか・その企業ならではの自己PRになっているか |
これら以外にも見られるポイントは各企業で定められていますが、上記のものはどの企業も見ています。
これらのポイントが適切であるか、提出前にしっかり確認しておきましょう。
エントリーシート(ES)と履歴書の違い
就職活動では、企業に応募する際に 「エントリーシート(ES)」と「履歴書」 の両方を提出することがあります。
どちらも自分をアピールする重要な書類ですが、それぞれの目的や記載内容には違いがあります。
ここでは、 「エントリーシートと履歴書の違い」 をわかりやすく解説していきます。
ESと履歴書の比較表は以下の通りです。
項目 | エントリーシート | 履歴書 |
目的 | 自己PR・志望動機を詳しく伝える | 学歴・職歴などの基本情報を伝える |
フォーマット | 企業ごとに異なる | 決まったフォーマット(市販の履歴書も可) |
提出方法 | Web提出が多い | 手書き or PDF/Excel提出 |
記載内容 | 志望動機・自己PR・ガクチカなど | 学歴・職歴・資格などの基本情報 |
文字数 | 企業によって指定(長文の場合も) | 比較的短め(簡潔な志望動機) |
使い回し | 企業ごとに異なるため使い回し不可 | ほぼ共通の内容なので使い回し可 |
エントリーシートは 自己PR・志望動機を企業ごとにカスタマイズして書く必要があります。
一方で、履歴書はどの企業でも基本的に共通のフォーマットであるため、手間がかからず使い回せるのが特徴です。
それぞれの役割を理解し、適切に作成しましょう。
エントリーシートを書く前に3つのすべきこと
良いエントリーシートを書くためには、事前にやっておくべきことがいくつかあります。
ここで紹介する取り組みは事前に必ず行って、良いエントリーシートを作成する準備をしましょう。
自己分析を行う
丁寧な自己分析を行うことで、自分の本質的な強みや独自の価値観を明確にできます。
自分に合った企業を考えるために、自己理解が重要な要素となります。
自分の経験や考え方を深く掘り下げることにより、エントリーシートで伝えるべき内容が自然と見えてくるでしょう。
就職活動向けの自己分析本やワークシートには、自分の経験を具体的に掘り下げるための質問が豊富に用意されているため、これらのツールを積極的に活用することもおすすめです。
企業研究をおこなう
応募先企業についての深い理解は、効果的なエントリーシートにつながります。
企業の基本理念や提供サービス、組織文化、期待される人材要件などを徹底的に掘り下げることで、企業の求める人材像に沿った、魅力的なエントリーシートを作成できます。
企業研究により、入社後のキャリアパスや自己実現の可能性についても具体的にイメージできるでしょう。
過去の内定獲得者のエントリーシートを確認する
内定を獲得した人のエントリーシートには、採用担当者が高く評価するポイントが含まれています。
これらの情報を押さえることで、効果的なエントリーシートの作成方法を学べます。
過去の内定獲得者のエントリーシートを確認できる主な方法は以下の通りです。
- ・大学のキャリアセンターや就職課に問い合わせる
- →信頼性の高い情報が得られる
- ・就職情報サイトやSNSで探す
- →業界別の傾向を把握できたり、最新の情報を得られる
- ・就職エージェントに相談する
- →個別でプロのアドバイスを受けられる
エントリーシートのポイント
エントリーシートは、いくつかのポイントを意識するとグッと良くなります。
ここで5つのポイントを確認し、今まで作成したエントリーシートはポイントを押さえられていたか確認しましょう。
伝えたいことを明確にする
エントリーシートには明確なメッセージを入れる必要があります。
応募者の得意分野や実績、スキルをアピールするのか、企業に対する情熱を表現するのか、伝えたい内容によって記述方法は大きく異なります。
採用担当者に確実に伝わるメッセージを意識して、各質問の回答を組み立てることが効果的です。
エピソードは具体的に書く
自己PRの説得力を高めるには、実際の経験に基づく具体例を入れ込みましょう。
「責任感が強い人材です」といった抽象的な表現だけでは、採用担当者への印象は薄くなってしまいます。
実際の体験談を効果的に活用することで、自分自身の長所や実力を証明できます。
例えば「大学祭の実行委員長として300人規模のイベントを統括し、予算管理から当日の運営まで責任を持ち完遂させました」といった記述は、応募者の能力を具体的に示せるでしょう。
数値を入れる
実績を伝える際は、正しい数値データを活用することが重要な意味を持ちます。
具体的な数字を用いた実績の表現によって、採用担当者への説得力が増します。
例えば、『店舗の月間売上を先月比で15%増加させました』や『新規顧客を半年間で50社開拓しました』といった形でデータを示せます。
ただし、数値化が難しい実績を無理に数字で表現すると、面接時に詳しい説明を求められる場合があるので、注意も必要です。
結論・理由・結論の順番で書く
エントリーシートで採用担当者に伝わりやすい文章を書くには、 PREP法(Point→Reason→Example→Point)を活用するのが効果的です。
このフレームワークを用いることで、 論理的で簡潔な文章を構成でき、より強いアピールが可能になります。
- 結論(Point):最初に伝えたいことを明確に述べる
まず最も伝えたいメッセージを明確にします。
例:「私は困難な状況でも目標を達成できる人材です。」
最初に結論を述べることで、読み手に 要点がひと目で伝わる ようになります。 - 理由(Reason):結論の根拠を示す
次になぜそう言えるのか を説明します。
例:「なぜなら、厳しい環境の中でもチームを導き、成果を出した経験があるからです。」
ここで論理的な理由を述べることで、主張の説得力が増します。 - 具体例(Example):根拠となるエピソードを示す
実際の経験を交え、 具体的なエピソードを提供 します。
例:「私は大学時代、コロナ禍で開催が危ぶまれた就活イベントをオンラインで実施しました。チームの意見をまとめ、スムーズな運営を徹底した結果、参加者150名のうち90%が満足と回答する成功を収めました。」
数字や実績を含めると、より具体性が増し、説得力が高まります。 - 結論の再確認(Point):最後に再度まとめる
最後にもう一度結論を伝え、強調します。
例:「この経験を通じて、私は目標達成に向けた計画力と実行力を身につけました。貴社でもこの強みを活かし、成果に貢献したいと考えています。」
これにより、主張が明確になり、 読後の印象が強く残ります。
この構成を意識することで、エントリーシートの説得力が向上し、採用担当者に明確なメッセージを伝えられるようになります。
読み手にとってわかりやすく、論理的に整理された文章を作るために、ぜひPREP法を活用してみましょう。
求める人物像に当てはまるエピソードを書く
当たり前のことですが、企業によって求める人材像は異なります。
企業のホームページなどで求める人材像を確認し、それに当てはまるエピソードを交えて書くようにしましょう。
求める人物像は、企業のホームページや就活ナビサイトに掲載されていることが多いため、エントリーシート作成前に確認することをおすすめします。
エントリーシートの設問例
エントリーシートには、企業が就活生について知りたい情報を収集するためにさまざまな設問が問われます。
具体的な設問内容は企業によって異なりますが、大きく分けると下記の2種類に分類できるので確認しておきましょう。
一般的な設問
エントリーシートで問われる一般的な設問には下記のようなものがあります。
業界や企業に関わらず、問われる可能性が高いものばかりなので、しっかりと確認しておきましょう。
- ・自己PR
- ・志望動機
- ・学生時代に最も力を入れたこと
- ・長所・短所
- ・趣味・特技
- ・挫折経験
- ・転職理由
- ・キャリアプラン
これらの設問は、多くの企業で共通して聞かれるものです。
回答は事前に考えておくことをおすすめします。
以下の記事では、志望動機が重要な理由を解説しています。
どのように考えたら良いか、分からない方はぜひチェックしてみましょう。
特殊な設問
エントリーシートで問われる少し特殊な設問には、下記のようなものがあります。
業界・業種別に設問の違いをまとめています。
必ず出題されるわけではありませんが、ぜひ参考にしてみましょう。
- ◆メーカー(製造業)
- 「当社の製品・サービスについてどのような意見を持っているか?」
- 例:「当社の製品の強みと、今後改善すべき点は?」
- ◆コンサルティング業界
- 「業界の課題と解決策について」
- 例:「日本の労働市場における課題を一つ挙げ、解決策を提案してください。」
- ◆IT業界(システム開発・エンジニア職)
- 「あなたを色に例えると何色か?」
- 例:「エンジニアとしての自分のスタイルを色で表現し、その理由を述べてください。」
- ◆金融業界(銀行・証券・保険)
- 「競合他社はどこであると考えているのか?」
- 例:「当社の競合となる金融機関を挙げ、その強みと弱みを分析してください。」
- ◆商社
- 「どのような経緯で弊社を知ったのか?」
- 例:「当社に興味を持ったきっかけと、商社業界の魅力をどう感じたか?」
業界/業種 | よく問われる特殊な質問 | 評価ポイント |
メーカー | 企業の製品・技術、業界課題 | 市場分析力・技術理解 |
コンサルティング | 業界課題・論理思考・キャリア観 | 課題解決力・ロジカルシンキング |
IT(エンジニア) | 製品の改善点・技術トレンド | 技術力・分析力 |
金融(銀行・証券) | 業界のリスク・競合分析 | 数字に基づく論理性 |
商社 | グローバル展開・経済動向 | ビジネスセンス・交渉力 |
これらは事前に考えることが難しい場合もあるため、出題された際に自分の考えを伝えられるように、エントリーシートの基本的な書き方について押さえておきましょう。
エントリーシートの設問例・回答例について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックすることをおすすめします。
エントリーシートの添削方法
エントリーシートの質を高めるには、継続的な改善と見直しが必要です。
添削の手法は複数存在しており、それぞれの特徴を理解した上で、自分に最適な方法を選択することが大切です。
個人のスタイルや性格によって効果的な添削方法は異なりますので、以下の手法の中から自分に合ったものを見つけることをおすすめします。
声に出して読む
エントリーシートを声に出して読むことで、文章の自然な点や誤りを効率的に発見することができます。
声に出すことで、文章の流れやリズムの良さを実感できるようになるでしょう。
採用担当者が読みやすいと感じる文章を作成することは、自分の魅力を正確に伝えるために重要なポイントとなります。
複数の媒体で確認する
印刷物と画面表示では文章の見え方が異なるため、複数のデバイスでエントリーシートを確認することが効果的です。
パソコンの画面だけでなく、スマートフォンやタブレット端末で表示して内容を見直すことにより、誤字脱字の発見がしやすくなります。
友人に依頼する
周囲の人にエントリーシートを確認してもらうことで、新しい視点からの意見を取り入れることができます。
自分では気付きにくい文章の改善点や表現方法について、率直な意見を得られる可能性が高くなります。
特に同じ世代の友人からは、遠慮のない正直な意見をもらえることが期待できます。
エントリーシートの作成に行き詰ったら、思い切って友人に協力を頼んでみましょう。
大学のキャリアセンター課に依頼する
多くの大学では、学生の就職活動をサポートするキャリアセンターが設置されています。
キャリアカウンセラーから実践的なアドバイスを受けることで、採用担当者の目に留まるエントリーシートを作成することが可能です。
なお、キャリアセンターの設置状況や提供サービスは大学によって異なりますので、在籍している大学のウェブサイトや学生支援窓口で具体的な支援内容を確認することが大切です。
OB・OGに依頼する
応募企業で働く先輩社員からアドバイスを受けることで、エントリーシートの質を高められます。
ウェブサイト上の情報だけでは、企業の現状を十分に把握できない場合があります。
実際に働いている先輩社員に相談することで、企業の本質的な価値観や求められる人材像を理解できるようになります。
書類選考を通過した際の具体的な経験談を聞けるのも参考になるでしょう。
先輩社員とのコンタクトを取りたい場合は、大学のキャリアセンターや教員に相談するのもおすすめです。
現在では先輩社員との面談をサポートするアプリも登場しており、これらのツールを活用することで効率的に情報収集ができます。
就職エージェントを利用する
多くの就職エージェントにおいて、エントリーシートの添削プログラムを利用できます。
プロフェッショナルの視点からのフィードバックを受けることにより、採用担当者に好印象を抱くエントリーシートの作成が可能となります。
なお、エントリーシートの添削サービスを実施していない就職エージェントのなかにはあるため、サービス内容を事前に確認することが大切です。
以下の就職エージェントでは、充実したエントリーシート添削サービスを提供しています。
- ・キャリアチケット
- ・ミーツカンパニー就活サポート
- ・キャリアパーク就職エージェント
- ・スタキャリ
まとめ
採用担当者の心に響くエントリーシートの作成方法について紹介してきました。
数個の重要なテクニックを意識するだけで、エントリーシートの質は大きく向上します。
選考プロセスの最初の段階であるエントリーシートを通過することは、内定獲得の第一歩となります。
無事に通過できたら、次のステップとして面接準備に取り組みましょう。
なお、エントリーシートの評価ポイントには、記載内容以外の要素も含まれます。
エントリーシートに添付する証明写真の選択や注意点については、別記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。