エントリーシートの「ですます」はどちらが適切?

エントリーシートは就活の第一関門であり、良いエントリーシートを作成できなければ内定は獲得できません。
エントリーシートでよく出てくる疑問の1つに、「です・ますはどちらを使えば良いの?」というものがあります。
ここでは、です・ますはどちらが適切であるのかに加え、エントリーシートをより良くするための添削方法をご紹介します。
エントリーシートの作成をしたい方は、ぜひご確認ください。
エントリーシートの概要
そもそもエントリーシートはどのようなものであり、面接官は何を知りたいのでしょうか。
ここで、就活のエントリーシートについて再度しっかり考えてみましょう。
エントリーシートとは
エントリーシートは就職活動において企業に提出する書類の一つであり、主に以下の項目を記入します。
- ・基本情報(氏名、住所、学歴など)
- ・自己PR
- ・志望動機
- ・学生時代に最も力を入れたこと
エントリーシートは企業が就活生を選考する際に最初に目にする書類であり、第一印象を左右する重要な書類です。
その内容によって面接に進めるかどうかが決まるため、しっかりと準備する必要があります。
エントリーシートを設けていない企業や、逆オファーサイトなどの選考優遇でエントリーシートを免除している企業もありますが、複数の企業の選考を受けるなら作成する機会は多いでしょう。
エントリーシートで見られるポイント
エントリーシートでは下記のようなポイントがよく見られています。
- ・企業が求める人物像とのマッチ度
- ・企業理念や事業内容への理解度
- ・求めるスキルや経験
- ・価値観や人柄
- ・論理的思考力・文章力
- ・論理的な文章構成
- ・誤字脱字の少なさ
- ・読みやすい文章
- ・具体的なエピソード
- ・数字や成果を交えて具体的に書く
- ・自分の強みや能力が伝わるエピソード
- ・熱意・意欲
- ・入社意欲
- ・向上心
- ・企業への貢献意欲
- ・その他
- ・自己PR・志望動機の一貫性
- ・独自性・差別化ポイント
- ・読みやすさ・見やすさ
これらのようにエントリーシートには多くの項目があるため、さまざまなことに注意しなければなりません。
エントリーシートは選考のどこで設けられるのか
エントリーシートは就活の第一関門です。
つまり、エントリーシートは面接に進めるかどうかの第一段階であり、ここを突破しなければ内定獲得はできません。
また、面接はエントリーシートを中心に進められることが多いです。
エントリーシートはその後の面接にも影響するのです。
エントリーシートはです・ます?だ・である?

文章の書き方として、大きな分類に「です・ます口調」と「だ・である口調」があります。
就活のエントリーシートにおいては、どちらを利用すればいいでしょうか。
書き方について不安がある方は確認していきましょう。
【結論】どちらでも問題ない
結論としては、どちらでも問題ありません。
口調に指定がないなら好きなほうを用いて作成しましょう。
ただし、一般的には「です・ます口調」を使います。
「です・ます口調」と「だ・である口調」には、それぞれメリット・デメリットがあります。
特段どちらか好みがない場合は、下記のメリット・デメリットを確認し、適切だと感じるほうを利用しましょう。
です・ます調のメリット・デメリット
です・ます口調のメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット①やわらかい印象を与える
話し言葉に近い表現を使うことで、硬い印象を与えず、親しみやすいイメージを与えられます。
例えば、「私は〇〇というサークルで部長を務めた」より、「私は〇〇というサークルで部長を務めた」のほうが柔らかい印象に見えるでしょう。
ただし、柔らかい印象が適切かどうかは業界や会社によって異なります。
そもそもどのような印象を与えたほうがいいかは事前に知っておきましょう。
メリット②読んでいて違和感を覚えにくい
多くの就活生は、「です・ます口調」でエントリーシートを作成しています。
そのため、です・ます口調で書いておけば違和感を持たれにくいと考えられます。
ただし、メリットの1つ目と同様に、選考を受ける就活生はどちらのほうが多いのか事前に把握しておくといいでしょう。
メリット③書きやすい
話し言葉に近い表現は頭の中でイメージしやすいため、比較的書きやすいというメリットがあります。
また、堅苦しい表現を避けることで、文章作成にかかる時間も短縮できるでしょう。
エントリーシートは堅苦しい表現を用いるべきと考える方もいますが、基本的には堅苦しすぎると逆に違和感を与えます。
難しい言葉を使っても有利になることはあまりありません。
そのため、普段から利用することの多い分かりやすい言葉で作成しましょう。
デメリット①文章が単調になりやすい
話し言葉に近い表現ばかり使うと、文章が単調になり、飽きられてしまう可能性があります。
特に文末の連続は注意点です。
例えば、下記のように「~ます。」という言葉が続くと単調になってしまいます。
私はボランティアサークルで部長をしています。
サークルでは大学周辺のゴミの清掃、近隣住民の方と協力してイベントの開催などをおこなっています。
現在、次のイベントとして大学の敷地にある広場で小学生に地球環境の大切さと、楽しみながら学べる体験型ブースを企画し、サークルメンバーと話し合いを進めています。
大学生活最後のイベントとして、こちらのイベントを成功させるため努力しています。
このように単調に感じた場合は、下記のように文末を変える工夫が必要です。
私はボランティアサークルで部長をしています。
サークルでは大学周辺のゴミの清掃、近隣住民の方と協力してイベントの開催などをおこなってきました。
さらに、現在は次のイベントとして大学の敷地にある広場で、小学生に地球環境の大切さと、楽しみながら学べる体験型ブースを企画し、サークルメンバーと話し合いを進めています。
大学生活最後のイベントを成功させるために努力している段階です。
文末の連続表現に明確な基準はありませんが、3回同じ文末が続く場合は表現方法を変えましょう。
デメリット②文字数が多くなりやすい
「です・ます口調」は、「だ・である口調」と比べると文字数が多くなりやすいです。
これは、話し言葉に近いと冗長な表現が多くなりやすいからです。
また、「です・ます口調」は「だ・である口調」と比べると文末のみを比べてみても一文字多いです。
エントリーシートは200文字など字数制限が少ないこともあるため、文末の一文字の差で内容を削る、もしくは表現を変える必要が出てくるでしょう。
デメリット③二重敬語になりやすい
です・ます口調は二重敬語になりやすいです。
例えば、下記のようなものは二重敬語に当たります。
- 12月、貴社のインターンシップに参加させていただきました。業務内容や現場の目標などを伺わせていただき、勉強させていただきました。
二重敬語を改善すると、下記のようになります。
- 12月、貴社のインターンシップに参加させていただきました。業務内容や現場の目標などを伺い、大変勉強になりました。
二重敬語は相手に失礼な印象を与えかねません。
そのため、敬語のルールをしっかりと理解し、二重敬語にならないように注意する必要があります。
二重敬語のルールを理解し、文章を声に出して読むことで二重敬語を防ぎましょう。
だ・である調のメリット・デメリット
だ・である口調には下記のようなメリット・デメリットがあります。
メリット①文字数を節約できる
「です・ます」調と比べて「だ・である」調は語尾が簡潔なため、同じ内容を伝える場合でも文字数を節約できます。
限られた文字数の中で多くの情報を伝えたい場合に有効です。
文字数制限が厳しい企業のエントリーシートを作成する場合や、伝えたいことが多くある場合は、だ・である口調を候補に入れておきましょう。
- 「〇〇の資格を取得しました」 (12文字)
- 「〇〇の資格を取得した」 (10文字)
メリット②文章に重みをもたせられる
「だ・である」調は、断定的な表現なので、文章に力強さや説得力を持たせることができます。
自分の意見や主張を明確に伝えたい場合に効果的です。
例えば、下記のような使い方をすると、意志の強さや自信を表現できるでしょう。
- 「私は、この問題を解決するために、全力で取り組む。」
- 「私は、この問題を解決する必要がある。」
メリット③簡潔で読みやすい文章になる
「だ・である」調は簡潔な表現なので、読みやすく理解しやすい文章になります。
特に論理的な文章や説明文を書く場合に有効です。
理系の研究論文などでは、「だ・である口調」がよく用いられています。
デメリット①堅苦しすぎる可能性が出てくる
「だ・である」調は、フォーマルな場面で使うのが一般的です。
そのため、カジュアルな場面で使うと堅苦しい印象を与えてしまう可能性があります。
エントリーシートもフォーマルな資料ですが、大学生には堅苦しすぎさを求めていない企業も多いです。
- 「友達と遊びに行った。」 (カジュアル)
- 「友達と遊びに行ったのである。」 (フォーマル)
デメリット②上から目線に見える可能性がある
「だ・である」調は断定的な表現なので、上から目線に聞こえてしまう可能性があります。
威圧感を与えてしまう恐れがあるので注意が必要です。
断定していい文章かどうか、常に考えなければなりません。
だ・である口調で断定したくない場合、「~と考えられる」とするのが良いでしょう。
デメリット③丁寧さが伝わりにくい
「だ・である」調は、「です・ます」調と比べて丁寧さが伝わりにくいです。
特に、目上の人やお客様に対して使う場合は注意が必要です。
丁寧でないと感じるかどうかは読む人によって異なります。
ですます、である調の使い分け方法

それでは、具体的にはどう使い分ければ良いのでしょうか。
ここでは4つの方法をご紹介しますので、ご自身に適したものはどちらかお確かめください。
方法①字数制限によって変える
エントリーシートや履歴書などの文字数制限が厳しい場合は、文字数を節約できる「だ・である口調」が有効です。
一方、文字数制限が緩い場合や自由記述欄などでは、読みやすさを考慮して「です・ます」調を使いましょう。
方法②業界や企業によって変える
業界や企業によっては、一般的な「です・ます口調」より「だ・である口調」を使用するほうが無難です。
事前に企業のホームページや採用情報を確認し、適切なほうを選びましょう。
企業が口調についてしっかり定めている場合は、ほとんどはエントリーシートの注意点や説明会で指示されるはずです。
指示があるのに守っていないと、内容が良くても不合格になる可能性があります。
方法③過去の内定者のエントリーシートを参考にする
過去の内定者のエントリーシートを参考にすることで、その企業がどのような口調を好むのかを知ることができます。
ただし、あくまでも参考程度に留め、自分の個性も表現しましょう。
方法④与えたい印象で使い分ける
「です・ます口調」と「だ・である口調」は、下記のように与える印象が異なります。
- 柔らかい印象を与えたい場合は「です・ます」調
- 知的な印象を与えたい場合は「だ・である」調
- 自信や意志の強さを表現したい場合は「だ・である」調
エントリーシートを作成する前に、与えたい印象を明確にしておきましょう。
まとめ
今回はエントリーシートにおける口調について解説しました。
基本的には「です・ます」口調がおすすめですが、場合によっては「だ・である口調」のほうが適しています。
まずは企業から指示がないかを確認し、ない場合は自分が適切だと感じた口調でエントリーシートを作成しましょう。